弁護士コラム
第192回
『【弁護士が解説!】軽貨物運送ドライバーの退職代行』について
公開日:2025年11月25日
退職
弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。
その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。
コラム第192回は『【弁護士が解説!】軽貨物運送ドライバーの退職代行』についてコラムにします。
2025.11.5「日本経済新聞」で「会社からの損害賠償に対応する定額訴訟プラン」について弁護士清水隆久が取材を受けて解説しています。
※後半で記事の一部を載せたいと思います。
目次
1.軽貨物運送ドライバーの業務委託について
軽貨物運送のドライバーの契約形態のほとんどが『個人事業主』として『業務委託契約』を取引先(委託元)と結んでいます。『業務委託契約』である以上、「ガソリン代、ETC代、オイル交換代、修理費等」は、個人事業主である退職者自身が負担しています。
でも、本当に『ガソリン代、ETC代、オイル交換代、修理費等』は退職者の負担にすべきでしょうか?このような質問をしている時点で、答えはわかると思いますが、『それはおかしい』と私は考えます。
まず、『個人事業主』≒業務の全責任を負います。業務の全責任があった際には、その金銭的な負担もしないとなりません。その金銭的な負担をするリスクに対するリターン(利益)があって初めて『業務委託』のメリットがあります。一般的に、責任だけ加重されているのは平等ではありません。リターンが少ないのであれば、『雇用契約』で十分だと私は考えます。
そのような退職者の負担によって、その委託元は『多大な利益』を上げている構造が(私の個人的な感想かもしれませんが)感じることがあります。その歪な関係が『軽貨物運送』の構造にはあるように思えます。そのような現状に対しては、フリーランス新法があるのかもしれませんが、保護が十分ではないと私は考えます。
次に、『業務委託契約』事態が偽装である可能性があります。私の経験値で述べるなら軽貨物運送の業務委託の『80%』程度は、雇用契約をすり抜けるための『形式上』の契約に過ぎません。業務委託契約だから、委託元が言うのであれば、『退職』できないと考えることもやむを得ないのかもしれません。
しかしながら、ちょっと待ってください。
あくまでも退職希望のあなたの業務委託契約が偽装で実質的には『雇用契約(偽装委託)』かもしれません。雇用契約であれば、民法627条第1項、628条が適用され退職通知した段階から14日経過後を退職日となる可能性もあります。
雇用契約であれば『ガソリン代、ETC代、オイル交換代、相当額の修理費等』は『委託元』が負担することになるかもしれません。さらに、短期解除した際の『違約金』の定め自体が『労基法第16条』の『損害賠償の予定』に該当し、無効になる可能性もあります。
2.雇用と業務委託の区別について
雇用と業務委託のある程度の判断基準があり、以下の通りご紹介させて頂きます。
①仕事の依頼、業務従事の指示等に関する諾否の自由の有無
仕事の依頼、業務指示等に対して拒否する自由がない⇒労働者性が高い
②業務内容及び遂行方法に対し指揮命令の有無
業務に対して事細かに指示命令がある⇒労働者性が高い
③拘束性の有無
勤務場所・時間が指定されて管理されている⇒労働者性が高い
④代替性の有無
代替性がない⇒労働者性が高い
⑤報酬に関する労務対償性
歩合性ではなく、一日あたりの金額で報酬が定められている⇒労働者性が高い
⑥機械器具の負担関係
業務に必要な高価な機械器具を委託元の会社側が提供する⇒労働者性が高い
⑦専属性の程度
他所の業務に従事することが制約・事実上困難⇒労働者性が高い
⑧報酬の額
同事業所の勤務する労働者と比較し、同等の報酬⇒労働者性が高い
同事業所の勤務する労働者と比較し、著しく高価な報酬⇒労働者性が低い
3.まとめ
軽貨物運送のドライバーの退職代行については、リース車両の返却方法で揉めるケースが多くあります。最近の委託元は、実質的な『雇用契約』での退職代行のリスクを軽減するために、『リース契約先』と『委託元』の会社をあえて分けているケースが増えてきました。
もっとも、『リース契約先』と『委託元』の住所が同じであったりするなど一見しても『関連会社』であったりします。あえて『軽貨物運送ドライバー』の退職代行を困難にさせる方法を委託元が採用していると『私』は考えており、今後において注意が必要です。
『記事引用』
弁護士法人 川越みずほ法律会計(所在地:埼玉県川越市、代表弁護士:清水隆久)は、退職後に会社から損害賠償請求を受けた際に対応できる「定額訴訟プラン」を強化いたします。~日本初(*自社調べ)の「退職代行サービス」を行った弁護士!自衛官、国家公務員、地方公務員の退職代行や公務員の懲戒対応にも対応!~
(提供背景)
近年、ニュースにもありましたが、退職代行業者が警視庁から家宅捜査を受けるなど民間退職代行サービスに関する法的トラブルが増加しています。依頼者には関係のない話しであり、迷惑でしかありません。依頼者は依頼する前にこの民間退職代行会社が「どこまでのサービス」をしてくれるのか?十分に調べる必要があります。退職代行には法的な問題が絡んできます。要は簡単ではないのです。
そのような中、近年、民間の退職代行会社が増えてきましたが、会社側から損害賠償を請求されるなど、トラブルが多発しています。会社側が退職を認めないケースがあるからです。退職するのに交渉が必要になる。この交渉自体、時間の無駄である。従来の民間退職代行会社は、従業員から「退職の意思」を会社側に伝える!業務でしたが、近年、会社への交渉が必要になってくる複雑なケースが増加しています。「退職を認めない」というケースです。
ご依頼者のほとんどが、そのトラブルに困り問い合わせしてきます。予期せぬ会社からの損害賠償では、原則、弁護士が対応しており、民間の退職代行会社では、到底、対応できないのです。このような背景から、弁護士法人川越みずほ法律会計には毎日多くの相談が来ます。
<川越みずほ法律会計の代表弁護士清水隆久氏によれば>
■「最近では、退職代行サービスが認知され、退職することができるというのが世に認知されいます。しかしながら、退職時に職場が損害賠償を求めて訴訟提起する機会が増えています。」
■「退職者に対して会社側からの損害賠償請求が認められる可能性はあまり高いものではない」と清水弁護士は言います。
ではなぜ可能性が高いものではない損害賠償請求を会社は行うのでしょうか?
■「会社は、懲罰的に損害賠償請求をして来る可能性があります。日本における損害賠償請求の本来的な意味は損害の填補をさせるというものでありますが、その損害賠償の趣旨とは異なって将来の退職者を抑えるためにあえて退職者に対して損害賠償請求の提起をする機会が増えています」と清水弁護士は言います。
では損害賠償を受ける可能性が高い職種は?あなたの会社は大丈夫?清水弁護士に聞いた!
清水弁護士
「損害賠償請求をしてくる職種は何かの業務を行うにあたりその退職者の免許や資格が必要なケースがほとんどです。また、トラック運転手など人手不足が著しい業界はあえて損害賠償請求のために訴訟提起してくる可能性があります」
「損害賠償請求を受ける職種は、何かの業務を行うにあたり、その退職者の免許や資格(例えば、医療関係・訪問介護デイサービス等の児童福祉関係など)が必要なケースが多いです。また、トラック運転手、介護関係、SESなど人手不足が著しい業界はあえて損害賠償請求のために訴訟提起してくる可能性があります」。
「一度、会社が損害賠償請求の訴訟提起をしてきた場合には、その対応のために多額の弁護士費用がかかります。その弁護士報酬は会社の訴訟額によりますが、おおよそ30万円から100万円程度かかる場合もあるのです」。
■サービスの特徴
・退職代行とセットの定額プラン。
正社員であれば、退職代行サービスの基本プラン22,000円にプラス25,000円で一律で訴訟対応します。
清水弁護士
「損害賠償対応プランは、取締役、理事などの役員の辞任代行サービスや業務委託の解除代行サービスにも適用可能で、それぞれ基本プランに25,000円をプラスすることで、一律で訴訟対応します」。
・弁護士による法的に有効な退職代行
弁護士が直接対応するため、交渉や法的トラブルにも迅速かつ適法に対応可能です。
・会社役員や公務員にも対応
取締役や理事などの役員辞任、業務委託契約の解除、自衛隊、国家公務員、地方公務員の退職、懲戒対応にも対応しています。
・全国対応 24時間受付
地方に事務所を構えながら全国対応を実現。オンラインや電話での相談も年中無休です。
清水弁護士
「損害賠償対応まで退職代行サービスとセットで一律で行うサービスは、弁護士法人川越みずほ法律会計以外の法律事務所でも行っているのは聞きますが弁護士法人川越みずほ法律会計が行うのが代表的ではないかと思います。また、取締役などの役員の辞任代行サービスや業務委託契約の解除代行サービス時にもセットで訴訟対応まで一律で対応している法律事務所は日本広しと言えども弁護士法人川越みずほ法律会計しかやっていない」
弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介
いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。
この記事の執筆者
弁護士清水 隆久
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
埼玉県川越市出身
城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。