弁護士コラム

第229回

『退職代行時の積立金返還請求』について

公開日:2026年2月16日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第229回は『退職代行時の積立金返還請求』について解説します。

目次

1.退職時の積立金について

退職時の積立金返還のご相談についてはとても多いです。積立金とは、毎月給与天引きの上で会社が預かっているものと定義します。賃金は所定の日にちに全額支払う必要があります(労基法第24条)。

もっとも、労基法には、賃金全額払いの原則の例外として、『従業員代表との書面による協定により賃金から控除することとしたもの』については、毎月の給与から天引きしても問題ありません。

この点、積立金とは、毎月の給与から控除するものにあり、労使協定があること、かつ、各労働者との個別の合意が必要となります(個別の合意に代わるものとして、就業規則上に積立金について記載し、周知要件を満たすことでも可能)。この積立金については、退職時には、労働者から請求があった場合には、返還する必要があります。

旅行積立金という名目で給料天引きをしている会社もありますが、しばらく旅行に行っていないので、その積立金の返還のお願いしたいというケースもあります。あくまでも、消費していない積立金がある場合には、返還請求することが可能だと私は考えます。

2.積立金という一時金について

次に、よくあるご質問として、毎月の給与から天引きしていない積立金であって、毎月、会社が独自に積み立てている積立金について、「1」の積立金とは明らかに区別することが必要となります。

「2」における積立金は、決算期末賞与として支給している会社があります。その際には、積立金とは、退職者が請求すれば必ず支払って貰えるものだと勘違いされているご相談者の方もいらっしゃいますが、「2」における積立金は、一時金や賞与の性質を有している積立金と理解することが正解と言えます。

したがって、「2」の積立金は退職時に必ず支払ってもらえるものではありません。

3.まとめ

積立金については退職代行時に一緒に私から請求することがほとんどです。
したがって、積立金の返還請求についてお悩みでしたら遠慮なく私までご相談ください。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。