弁護士コラム

第51回

『弁護士による自衛官(自衛隊員)のための病気休暇取得代行サービス及び
休職代行サービス』について

公開日:2024年12月6日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行をはじめて早いもので、数年が経ちました。その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第51回は『弁護士による自衛官(自衛隊員)のための病気休暇取得代行サービス及び休職代行サービス』について書きたいと思います。

2曹、3曹、陸上長などの自衛官の方は、営内や基地内で集団生活をしているため、ストレスによって体調を崩すことが多くあります。また、訓練や演習などで、体調不良等が生じ易い環境にあると言えます。

さらに、幹部自衛官の方であっても、特殊な環境の中でストレスにより体調を崩す場合もあるようです。そのような理由からか私の方には、自衛官(自衛隊員)の方からは、退職代行ではなく、病気休暇取得代行及び休職代行の依頼が多く来ます。

しかしながら、現在、自衛官(自衛隊員)の病気休暇及び休職手続きについては、ネット上でも情報が少ないため、今回、自衛官(自衛隊員)の病気休暇取得代行サービス及び休職代行サービスについてコラムにしました。3分程度で読めますので、興味がありましたら、最後までご拝読ください。

目次

1.自衛官(自衛隊員)の病気休暇及び休職手続きについて

まず、自衛官(自衛隊員)の方であっても公務員のため、休職手続きの前に病気休暇制度を使う必要があります。病気休暇制度は、90日取得することができ、90日間は100%の給料が国から保障されます。また、病気休暇制度及び休職制度を使うにあたっては、復職の意思があることが前提となりますので、仮に、退職の意思を明確にしている場合には、病気休暇及び休職手続きを取ることが法律上できなくなります。

次に、90日間の病気休暇を取得した後、休職手続きに進むことになります。休職期間は最大3年取得することができますが、給料保障は最初の1年で、80%、手当も80%支給されます。その1年以降は、傷病手当金の対象となります。傷病手当金は、1年6ヶ月支給されます(特定疾病は別)。傷病手当金は、給与の3分2程度が支給されます。

2.休職代行(病気休暇取得代行を含む)サービスについて

病気休暇取得代行及び休職代行にあたっては、まず病気休暇を取得しますので、90日間病気休暇に入るように連絡をします。その際、代休、年次休暇がある場合には、病気休暇の前に消化するように調整します。病気休暇は、所属部隊で承認できるため、比較的スムーズに取得できます。病気休暇取得後、復帰できない場合には休職手続きに入ります。休職手続きは、上級部隊の承認が必要になるので、所属部隊との事前の調整を私の方で行います。病気休暇及び休職手続き取得にあたって、診断書の休職期間が繋がるように事前に提出します。

また、弁護士法人(私)が代理人として入りますので、依頼者が所属部隊とやりとりする必要がありません。精神的に限界でありましたら、退職ではなく、しばらく休むという選択肢もあります。自衛官(自衛隊員)の方で、病気休暇及び休職手続きにお困りでしたら、遠慮なく私までご相談ください。力になります。

3.Q&A

よくあるご質問についてお答えします。

Q1 所属部隊の方とは、電話でやりとりする必要はありますか?
A1 病気休暇取得代行及び休職代行にて、手続きを弁護士に依頼しているので、所属部隊とやりとりする必要はありません。
ただし、一部郵送でのやり取りは除きます。

Q2 所属部隊から電話連絡はありますか?
A2 一般的には、所属部隊から電話連絡があっても、弁護士に委任しているため、対応不要です。

Q3 弁護士に病気休暇取得代行及び休職代行を依頼することで、懲戒されますか?
A3 弁護士に委任することは、法律上認められている正当な権利ですので、依頼したこと自体で、懲戒処分を受けることはありません。

Q4 自衛隊病院で診断を受けないと病気休暇及び休職手続きされないのでしょうか?
A4 そのような法的根拠はないため、自衛隊病院以外の医師の診断書であれば、病気休暇及び休職手続きができます。
したがって、自衛隊病院での診断書以外でも対応可能です。

Q5 対応できない階級はありますか?
A5 全ての階級で対応可能です。

Q6 陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の全ての自衛官に対応していますか?
A6 全て対応しています。

Q7 教育期間中でも病気休暇及び休職手続きはできますか?
A7 手続きできます。ご相談ください。

Q8 懲戒処分待ちの状態でも病気休暇の手続き及び休職手続きを依頼できますか。
A8 懲戒処分待ちの状態でも病気休暇の手続き及び休職手続きについて対応可能です。

・参考コラム

第3回 退職代行時の傷病手当金請求

第4回 休職代行

第24回『弁護士による休職代行』について

第46回『公務員のための休職代行』について

・関連コラム

第11回『自衛官の退職代行及び脱柵』について

第20回『自衛官の懲戒処分待ちの退職代行』について

第21回『自衛官の懲戒処分待ちの退職代行その2』について

第26回『自衛官(陸士長、1等陸士、2等陸士)の退職代行【自衛隊編】』について

第33回『自衛官(自衛隊員)の退職代行【階級3曹】』について

第39回『幹部自衛官の退職代行』について

第47回『自衛隊員(自衛官)のための親の同意と退職代行』について
を、読んでいただきましたら、自衛官の退職代行について理解が進むと思います。お時間がございましたら、ご拝読ください。

・関連ホームページ

自衛官の退職代行

弁護士の休職代行

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。