弁護士コラム

第200回

『【弁護士が解説】管理職のための退職代行』について

公開日:2026年1月5日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第200回は『【弁護士が解説】管理職のための退職代行』について解説します。

目次

1.管理職と管理監督者の違い

管理職とは、一般的には、マネージャー、課長、部長などと呼ばれる役職の人を指すようです。実は、管理職の方であっても退職代行を利用することは問題ありません。

今回は、管理職の方が退職代行するにあたってのポイントをコラムで解説します。今回のコラムも清水弁護士が解説します。管理職という肩書を持っている際には、『管理監督者』との違いを意識する必要があります。

まずは、前提として、管理職と管理監督者の違いについて簡単に解説します。管理監督者とは、監督・管理の地位にある者をいい(労基法第41条2号)、労働時間の決定やその他の労務管理について、経営者と一定的な立場にある労働者を言います。

管理監督者は、労基法による労働時間の制限や休憩・休日に関する規制を受けません。そのため、管理監督者が労働時間等の規制を超えて労働しても、会社は残業代を支払う必要がありせん。

その際、マネージャー、課長、部長などと呼ばれる役職の方については、管理監督者に該当しますか?というご質問を頂くことが多いですが、その「肩書」ではなく、経営者と一体的な立場にある労働者であるかについて実質的な判断することになります。

その際、「経営者と一体的な立場」にあたるかについては、一般的な基準があります。①重要な職務内容、②重要な責任と権限を持っているか、③出退勤の自由、④相応しい待遇などから判断します。

※実態を判断すると名ばかりの管理監督者にあたるケースも多く、その際には、残業代が発生するケースも多いです。

以上によれば、管理職と管理監督者とは一部重なる部分もありますが、概念としては、異なるものと言えます。

2.退職代行時のポイント

退職代行時のポイントについて解説します。

管理職の方であれば、その雇用契約の形態は、「期間の定めがない」雇用契約となります。民法627条1項が適用され、退職代行時から14日経過後が退職日になるケースがほとんどです。

したがって、退職できないという事態はそれほど心配をする必要はありません。

3.損害賠償請求のポイント

もっとも、退職時の引継ぎについては、注意をする必要があります。

管理職という重要なポストの方の引き継ぎが、その引継ぎ内容を書面化することで足りるのか、書面だけではなく後任が見つかるまでその業務を実際に行う必要があるかなど、担当弁護士と打ち合わせをする必要があります。

4.まとめ

管理職の退職にあたっては、損害賠償の可能性は否定できません。

したがって、管理職の方が退職代行を依頼するにあたっては、損害賠償の可能性があるのか、仮に、損害賠償の可能性がある場合には、その金額がいくらになるかなど、担当弁護士に事前に相談するようにしてください。

お困りでしたら、私までご相談ください。

参考コラム

第201回「管理監督者ための残業代請求」について

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。