弁護士コラム

第208回

『【弁護士が解説】出向期間中の退職代行』について

公開日:2026年1月13日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第208回は『【弁護士が解説】出向期間中の退職代行』について解説します。

令和8年1月8日「テレビ朝日スーパーJチャンネルに清水弁護士が出演しました。

目次

1.出向期間の退職代行について

出向期間中の退職代行のご相談を受けるケースが増えています。出向元が上場企業であって、その子会社が出向先になっているケースが多くあります。

その際、その子会社では、部長職や執行役員になっているケースもあります。今回のコラムについても清水弁護士が解説します。

まずは出向期間中については退職手続きがどちらで必要になるか解説し、移籍出向型についても簡単に触れます。

2.在籍出向型の退職代行について

出向期間中と言っても、在籍出向の場合の雇用契約は、出向元にあります。したがって、退職代行をするケースは、出向元の親会社に退職代行することになります。

出向元の会社に対して、退職代行する場合には、出向先に連絡するケースはあるのでしょうか?

実は、出向先で、業務を行っているケースがほとんどですので、朝一での退職代行のケースでは出向先に退職代行の連絡を行います。出向先に退職代行を行う趣旨としては、退職の意向を出向先に伝えることで、出向元との「退職」の調整を取りやすくするためにあります。

では、退職代行の当日について、すでに有給申請を出向先に行っているケースでは、あえて出向先に退職代行をするのではなく、最初から出向元に退職代行することもあります。

繰り返しになりますが、出向元とは雇用契約を結んでいることから退職代行を出向元に行うことは問題ありません。退職関係書類についても出向元から交付を受けることになります。

次に、出向先では、重要なポストに就いている場合もあり、その際の損害賠償対応について気にされている方もいらっしゃると思いますが、引継ぎ業務としては、「出向先」の業務について行う必要があると考えます。

出向先との業務引継ぎが不十分であったケースでは、出向先から損害賠償されるリスクがありますし、稀にですが、出向元とも雇用契約が存在するので、出向元から損害賠償請求がされる可能性もまったくないとは言えません。

出向期間中の退職代行については、退職自体の相談と損害賠償請求の損害を受けるケースがほとんどです。

3.移籍出向型の退職代行について

在籍出向とは異なり、移籍出向のケースでは、雇用契約は出向先と生じることとなります。したがって、移籍出向型の退職代行については、出向先に退職代行することについて異論ありません。

したがって、今回のコラムからは、移籍出向型の退職代行については、省略します。

4.まとめ

出向期間中の法律関係については、出向元と出向先と依頼者との3者間に生じるために少し違った視点が必要になります。さらに、在籍出向の形で、出向先の会社では、『取締役』に就任しているケースもあります。

その際には、より複雑な形態となりますし、出向先の会社で、雇用の身分と有する兼務役員の形をとっているケースもあります。

出向期間中の退職代行と言っても様々なケースがあります。どのようなケースでも私の方で対応ができますので、遠慮なくご相談頂けると幸いでございます。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。