弁護士コラム

第216回

『離職票をスムーズに発行させる方法【弁護士が解説】』について

公開日:2026年1月27日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第216回は『離職票をスムーズに発行させる方法【弁護士が解説】』について解説します。

目次

1.離職証明書、離職票とは

退職時に離職票を発行しない会社があります。結構あります。退職代行時にも離職票の請求及び催促をすることは多いです。

退職代行時の基本的な業務の一つです。退職代行時のプランとして離職票の請求及び催促を基本プランとしている弁護士の退職代行を私はおすすめします。私の退職代行についても離職票の請求及び催促は基本プランに含まれています。

今回のコラムは、退職時に離職票を発行しない場合に、離職票をスムーズに発行させる方法について清水弁護士が解説します。

会社の離職票の発行義務については失業保険法に規定されています。退職時に離職証明書を会社がハローワークに提出して、離職票はハローワークが発行するものになりますので、正確には、会社がハローワークに提出する書類は、離職証明書になります。

離職証明書は、会社(事業主)がハローワークから離職票の交付を受けるために、離職票は、ハローワークが退職者のために失業保険の給付を受けるため交付します。

もっとも、一般的に、会社が離職票を発行することを要望しており、退職者の方も、離職票の請求を要望しているので、私の方もわかりやすく経緯を省略して、離職票の請求及び催促としています。

2.離職票が発行されない場合について

離職票を交付(発行)するのは、ハローワークになりますが、その前提として、事業主(会社)が離職証明書をハローワークに交付しない場合に、その交付の催促についてハローワークを通じて指導してもらうことが多いです。

例えば、退職日が3月31日となった場合には、退職日の翌々日から10日以内に雇用保険の喪失をすることが雇用保険法上で定められています。その喪失の過程で事業主の離職証明書の交付をすることが予定されています。

そこで、退職日の翌々日から10日以内に『離職票』の交付をしない場合には、ハローワークに対して、離職票の不交付の申告をすることをおすすめしています。

3.不交付の申告方法について

離職票の不交付の申告をするにあたっては、退職日がわかるものをハローワークの窓口に提出することがおすすめです。退職日のわかるものとは、労基法22条に規定されている『退職証明書』がおすすめです。

しなしながら、退職証明書についても提出をしない事業主(会社)があります。その際には、労基法22条に基づき『退職証明書』の交付請求をします。

仮に、交付請求しても会社が不交付のまま状態を維持するのであれば、労基法22条、23条により、所轄の労働基準監督署に退職証明書の不交付の申告をすることをおすすめしています。

ここまでをまとめますと、離職票の不交付の申告するにあたっては、ハローワークに申告するにあたり、退職証明書を提出します。

その際、退職証明があることで、ハローワークが離職票の交付について是正指導を行いやすい状態にします。退職証明書を交付しない場合には所轄の労働基準監督署に対して、申告をします。

4.まとめ

確かに、ハローワークや労働基準監督署への離職票や退職証明書の不交付についての申告については、各署(所)の是正指導という行政上の効力上の話になり、また、指導というのは、行政手続法で、事業主(会社)の任意の形をとっています。

したがって、申告をした場合でも、必ずしも交付されるものではありません。しかしながら、是正指導の過程で離職票(退職証明書)が発行されるケースが多いので、退職からしばらく経っても、離職票が交付されないケースでは、ハローワークに、『申告』することを私はおすすめしています。

離職票発行にあたり事業主(会社)が協力しない場合に本コラムを参考にして頂ければと思います。

・参考条文
(一般原則)

行政手続法第32条

1 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。