弁護士コラム

第215回

『【弁護士が解説】無断欠勤中の退職代行』について

公開日:2026年1月22日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

令和8年1月8日「テレビ朝日スーパーJチャンネルに清水弁護士が出演しました。
あけおめ退職について解説しました。

コラム第215回は『【弁護士が解説】無断欠勤中の退職代行』について解説します。

目次

1.無断欠勤について

無断欠勤中期間中に退職したいと思うことがあると思います。無断欠勤という言葉はマイナスのイメージしかありませんが、そもそも何をもって無断欠勤という言葉を定義しているかについて法律上明確に決まっている言葉ではありません。

無断欠勤とは、一般的に2つの意味があります。一つ目は、休むにあたり勤務先に連絡をしないで休むことを『無断欠勤』ということがあります。二つ目は、有給消化がない欠勤が無断欠勤という意味で使っていることもあります。

しかしながら、懲戒解雇との関係で定義すると『正当な理由なく、勤務日と定められた日に休む行為』をいうと考えます。通常、仕事を休む場合には、事前に事業所や直属の上司などに休む旨の申請をし、その許可を得る必要があります。

『正当な理由』とは、「メンタルヘルスの不調などの精神疾患等による体調不良」や「やむを得ない事故」などや「有給がある場合」など、が考えられます。一般的な就業規則上でも、正当な理由なく休む行為自体を禁止していることもあります。

以上を前提として無断欠勤中の退職代行について今回も清水弁護士が解説します。

無断欠勤の事案としては、⑴弁護士に退職代行を依頼する前に、すでに会社に連絡なく休んでいるケース、⑵有給がないために退職日までの期間をすべて欠勤するケースもあります。

2.すでに無断欠勤しているケース

⑴弁護士に退職代行を依頼する前に、すでに会社に連絡なく休んでいるケースについては、休む期間が長くなればなるほど、職場に連絡をすること自体が難しくなります。場合によっては、職場から鬼のような電話に悩む場合もあります。

実は、休み始めた理由を分析してみると職場との関係が悪いなどの理由があります。パワハラを受けていることもあるようです。理由はあるものの無断欠勤が長くなることで懲戒解雇になるリスクがあります。

⑴のケースで退職代行をすすめること自体について批判があるかもしれませんが、無断欠勤が長くなることで懲戒解雇を防ぐためにも、無断欠勤自体を解消する必要があります。その無断欠勤の解消法として、退職代行を検討することもあり得ると私は考えます。

※懲戒解雇されるケースでは、無断欠勤が2週間以上になるケースが考えられます。2週間以上無断欠勤が続くことが、裁判所で正当と判断される目安(東京地裁平成12年10月27判決)となっています。

3.退職代行時の無断欠勤について

⑵有給がないために退職日までの期間をすべて欠勤するケースについては、民法627条によれば退職通知した日から退職日までに14日の期間が必要となります。

その14日間について有給がない場合には、職場に出勤しないことが退職代行のメリットになりますので、自ずと退職代行してから退職日までの期間は「欠勤」となります。

もっとも、⑴での東京地裁の判決との関係では、実際には、14日の間には、公休日や祝日などがあるので、2週間まるまる欠勤することは理論上あり得ません。退職代行時の欠勤については懲戒解雇をそれほど心配する必要はありません。

4.まとめ

今回は、無断欠勤期間中の退職代行についてコラムで解説しました。補足としては、無断欠勤の場合には、賞罰ありについて転職先に過去の懲戒解雇の事実について伝える必要があるケースもあります。

また、転職先に過去の懲戒解雇の事実を伝えないことで入社し、入社後、懲戒解雇の事実が発行した場合には、転職先から改めて解雇されるリスクもまったくないとは言えません。長期の無断欠勤を避ける理由がここにあります。

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第140回『退職代行時に懲戒解雇を防ぐ方法』について

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。