弁護士コラム

第210回

『【弁護士が解説】退職代行時の私物の取り扱い』について

公開日:2026年1月15日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第210回は『【弁護士が解説】退職代行時の私物の取り扱い行』について解説します。

令和8年1月8日「テレビ朝日スーパーJチャンネルに清水弁護士が出演しました。

目次

1.退職代行時の私物の取り扱いについて

退職代行時の私物の取り扱いについてご質問を頂くことが多いので、今回のコラムで私物の注意点について解説します。

退職代行時に、職場に置いてあった私物については、揉めるケースが多いです。その揉めるケースでは職場から私物が返却されないケースが多くあります。

そもそも私物の返却の法的取扱いについて改めて解説します。

私物を送ってもらうための権利は法律上ありません。したがって、退職代行時に、着払いにて依頼者に送り返してほしいという交渉をしたとしても職場は私物の着払いでの送付を拒否することができます。

したがって、職場の私物については、事前に回収することをおすすめしています。事前に回収することで私物の返却のトラブルが発生しなくなります。

次に、私物の所有権放棄をした上で、私物の処分を会社にお願いする方法がありますが、私物の返却と同様に私物の処分のお願いをする法的根拠についてはありません。

では、職場から、私物の回収をするように依頼があった場合には、法的根拠はあるかどうかについて解説します。

職場には、その職場を管理する権限があり、職場の私物を妨害排除する権利があります。その妨害排除には法的根拠がありますので、職場が私物について妨害排除請求をしてきた場合には、私物を回収する義務が発生します。

もっとも、退職者としては、私物を回収する義務があったとしても、回収することを拒否することがほとんどです。

では、さらに、職場が私物を廃棄処分して、その廃棄処分費を退職者に請求することはできるでしょうか?

こちらについても費用請求することが法律的に認められています。もっとも、費用請求は過大なものではなく、相当範囲の費用請求に限られます。例えば、一律で、5万円などを請求する会社にありますが、明らかに相当性に欠けます。

2.まとめ

私物の取り扱いについては、退職代行のケースでは揉めることが多いです。

したがって、事前に私物の回収をお願いしておりますが、どうしても、職場に行きたくない場合で、私物の回収ができないケースもあります。

その際、事前に弁護士に相談することで私物の取り扱いについて予測ができます。私物一つとっても、法律的に奥深い議論が出てきます。お困りでしたら、私までご相談ください。

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弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。