弁護士コラム

第223回

『退職代行モームリさんが逮捕?なぜ人気がある?』について

公開日:2026年2月4日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第222回は『退職代行モームリが逮捕?退職代行は違法?』について解説します。

目次

1.退職代行会社は人気がある?

令和8年2月3日に「退職代行モームリ」の「代表ら」が逮捕されたニュースがありました。モームリさんと言えば、退職代行の認知度を上げた立役者と言えます。モームリという名前のネーミングセンスもさることながらSNSの活用などのその手法には目を見張るものがあります。

退職代行の人気度については『弁護士』は『退職代行会社』より劣っていると私は考えています。弁護士というのは法律のプロと一般的には認知していますが、依頼者のニーズと上手く捉えていないと言えます。

例えば、弁護士=法律問題とし、退職とセットで未払い残業代を前面に押し出して宣伝する方法がその一例と言えます。まず、依頼者としては、『退職』を一番の優先度であるにも関わらず弁護士としては未払い残業代請求を重点的に捉えている傾向がありました。すなわち、依頼者のニーズと弁護士の想定がズレていることがあります。

次に、弁護士と言う敷居の高さにあります。退職代行会社は、話しやすいと考えて、弁護士は、厳しい感じがするというイメージの違いがあります。

私がヒアリングする際には、退職代行会社の方が「イメージが良かった」という話を良く聞きます。気軽に頼みたいという依頼者のニーズからすれば、退職代行会社へのイメージの良さがあります。

さらに、退職代行会社には、宣伝の上手さがあります。退職代行会社と弁護士の間では宣伝手法について、その格差があります。イメージということからすれば、弁護士は退職代行会社に一歩遅れをとっていると言えます。

この点、労働組合による退職代行であっても、労働組合に加入するということに対して、依頼者には「?」が生じるといる話を聞きます。労働組合の退職代行のニーズはあるものの、そのニーズに対するイメージについては、退職代行会社にも一歩遅れをとっていると言えます。

モームリさんの営業スキームとして、労働組合の退職代行ではなく、退職代行会社の退職代行を選択した点でも、依頼者の「?」を考慮した結果だと私は考えています。

2.退職代行会社の違法性?

今回の弁護士法72条違反については、「モームリ」さんから「弁護士」の先生に交渉の必要な退職代行の案件を紹介して、その紹介にあたり、紹介手数料を支払うという事実にあたると考えられます。あくまでも紹介料の支払いについての問題であって、退職代行が「弁護士法違反」になったということではありません。

したがって、モームリさんの逮捕にあたっても、退職代行自体が違法になった訳ではありません。

3.まとめ

モームリの営業手法はSNSを使った手法であり、弁護士としては真似ができない方法ばかりでありますが、その方法には目を見張るものがあります。長年、弁護士として退職代行サービス業界を見てきた立場としては、今後の同業界の動向について注目しています。

退職代行についてのお問い合わせは私までご相談ください。

・参考コラム

第181回『退職代行会社のモームリの家宅捜査について法的観点から解説』について

第185回『モームリ弁護士法違反【退職代行 弁護士 見解】』について

第221回『退職代行モームリ弁護士法違反で逮捕?弁護士に紹介?』について

第222回『退職代行モームリが逮捕?退職代行は違法?』について

・参考条文

弁護士法第72条

72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの『周旋』をすることを業とすることができない。

弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。