弁護士コラム

第224回

『退職時の任意継続の注意点』について

公開日:2026年2月6日

退職

弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。

退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。

その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。

コラム第224回は『退職時の任意継続の注意点』について解説します。

目次

1.任意継続制度とは

退職時の任意継続の相談が増えています。任意継続制度とは、簡単に言えば、退職時のその会社で加入していた健康保険を退職後も引き続き使う制度になります。

任意継続のメリットは、その健康保険が引き続き使えることにありますが、現在のところは国民健康保険料よりも安い場合に税負担が減ることにあります。国民健康保険と任意継続による保険給付には違いはほぼありません。

任意継続の保険料のメリットなどについては、コラム第170回『任意継続被保険者と退職代行サービス』をご参照ください。

2.任意継続の注意点について

今回のコラムでは、任意継続の加入時の注意点やその方法について清水弁護士が解説します。任意継続については、2か月以上に加入していること、退職から20日以内に加入手続きをすることにあります。

まず、退職から20日以内に加入手続きをする必要があります。20日以内に手続きをしないとならないというのがポイントになります。今回は、全国健康保険協会(けんぽ協会)を例にして解説します。

けんぽ協会での任意継続手続きをとるにあたっては、会社が健康保険の喪失手続きをしないとなりません。会社(事業主)は、健康保険の喪失手続きは退職から5日以内にしないとなりません。しかしながら、会社(事業主)が健康保険の喪失手続きを怠った場合には、退職から20日以内に任意継続手続きをすることができません。

したがって、退職者としては、会社(事業主)に対して、5日以内に喪失手続きをすることを催促していく必要があります。仮の話になりますが、会社(事業主)が退職から20日以内に喪失手続きをしない場合には、任意継続の加入期間を過ぎてしまい、その手続き自体ができなくなります。結果的に、任意継続ができないため、国民健康保険(国保)に加入する必要が出てきます。

次に、会社(事業主)が社会保険喪失証明書を交付しないケースで、任意継続ができるかどうかについて解説します。社会保険喪失証明書については、法律上、発行(交付)することが義務にはなっていません。

したがって、会社(事業主)が社会保険喪失証明書を発行しない場合もあります。発行しない場合には、退職者から会社(事業主)に対して、催促したとしても交付(発行)しない会社(事業主)があります。もっとも、社会保険喪失証明書を発行しないケースでも以下の通りの対応をおすすめしています。

その方法は、お近くの年金事務所、または、けんぽ協会の窓口で社会保険喪失証明書の交付を受けてください。また、任意継続する際には、同時に、加入手続きをしてください。任意継続の手続きにあたって、窓口に行くことが重要なケースがあります。

補足として、任意継続の加入にあたっての加入用紙については、郵送で送って貰うことも可能ですが、20日以内に手続きができない可能性がある場合には、年金事務所、または、けんぽ協会の窓口に直接行くことをおすすめします。

3.まとめ

任意継続に加入するメリットある場面は現段階ではほとんどなく、保険料のメリットだけになります。しかしながら、その保険料のメリットがあれば、任意継続加入することもおすすめしています。

しかしながら、加入までの期間が短いために、その加入期間については、注意が必要です。私が退職代行をするにあたっては、事前に任意継続加入の希望を言って頂ければ、社会保険喪失手続きを会社に催促していきます。事前にご相談ください。

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弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介

いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。

この記事の執筆者

弁護士清水 隆久

弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士

埼玉県川越市出身

城西大学付属川越高校卒業、中央大学法学部法律学科卒業、ベンチャー企業経営、労働保険事務組合の理事、社会保険労務士事務所の代表を経て、予備試験合格、司法試験合格、司法修習終了後、弁護士法人川越みずほ法律会計を設立、同弁護士法人代表に就任。労務・税務・法律・経営の観点から、企業法務に関わる傍ら、東から西へと全国を飛び回る。社会保険労務士時代に得た労働社会保険諸法令の細かな知識を活かし、かゆい所に手が届く退職代行サービスを目指して日々奮闘中。2019年に携わった労働事件(労働者側・使用者側の両方。労働審判を含む)は、60件以上となる。