弁護士コラム
第240回
『【退職代行の弁護士が解説】社会保険料負担の疑問点』について
公開日:2026年3月24日
退職
弁護士法人川越みずほ法律会計の弁護士の清水隆久と申します。
退職代行を専門的にはじめて早いもので、数年が経ちました。
その間、数多くの退職代行をした経験から「これは」と思うことをコラムにします。
コラム第240回は『【退職代行の弁護士が解説】社会保険料負担の疑問点』について解説します。
目次
1.社会保険料徴収の実務について
退職代行にあたっては、社会保険料徴収実務についてご質問を頂きます。そのご質問の中で、一番多いご質問をコラムにて整理します。今回についても私が解説します。
退職にあたっては、社会保険料はどのぐらい負担があるかについては皆さんの一番の関心事だと思います。
中には、会社の総務の方も間違えて理解していることもあり、これはおかしい給与計算だと思うことも多いです。
原則として、当月の社会保険料の負担については、翌月の給与から控除します。この当月というのは、月末まで在籍していた場合に限ります。月末ではなく、その前日までに退職した場合には、その当月分の社会保険料については、翌月から控除されません(負担しません)。
この原則の例外としては、当月取得喪失の場合は例外になります。同月得喪という業界的には呼んでいます。
4月1日入社で、4月29日退職の場合では、当月末日まで在籍していない場合でも、4月分の社会保険料は徴収されます。
その一方で、3月1日入社、4月29日退職の場合には、4月は月末まで在籍していないので、4月分の社会保険料は徴収されません。
2.注意点について
もっとも、例外の4月1日入社、4月29日退職の場合には、確かに、4月分の社会保険料は徴収されます。
しかしながら、国民年金に退職日の4月29日に加入することで、厚生年金部分は、後日、会社に還付されますので、その後、退職者に還付されるのが素直な流れです(連絡や返還をしない会社は一定程度ありますので注意が必要です)。
3.まとめ
社会保険料の負担はますます増えてきます。自己負担分は、毎月の給与明細を見ればわかりますが、実は、会社は、その自己負担分と同額の負担をしています。
したがって、会社は、国に対して、自己負担分と会社負担分を合わせて、翌月末日に納付しています。この社会保険料の負担が給与が昇給しない一因です。
次に、3月1日入社、4月29日退職の場合には、4月分の社会保険料を負担する必要はありません。
しかしながら、あくまでも厚生年金、健康保険の保険料(介護保険料を含む)をしないだけであって、4月分は、別途、国民健康保険(場合によっては任意継続)、国民年金保険の保険料負担を個人が負う必要があります。
社会保険実務はとても複雑なので、疑問に思ったら、私までご相談ください。
・参考コラム
第162回『1日から3日出勤して試用期間中に退職代行を利用する方法(社会保険料の取り扱い)』について
第234回『【弁護士が解説】退職代行時の最終給与が支払いされない??』について
弁護士法人川越みずほ法律会計の紹介
いち早く退職代行を手掛け、今までも多数の相談及び解決事例があります。
今回、その中でもご質問が多いご相談事項をコラム形式でまとめました。
この記事の執筆者
弁護士清水 隆久
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
埼玉県川越市出身
経歴
埼玉県川越市出身
城西大学附属川越高校卒
中央大学法学部法律学科卒
社会保険労務士事務所勤務
社会保険労務士として独立開業(中央区銀座)
労働保険事務組合開設 理事
会計事務所コンサルティング代表パートナー
不動産会社勤務
予備試験合格、司法試験合格、司法修習を経て弁護士資格を取得
弁護士法人川越みずほ法律会計 代表弁護士
弁護士として活動するとともに通知税理士登録
2025.9.25 社労部門開設
労働社会保険及び人事労務サービスを開始
保有資格
弁護士
社会保険労務士
行政書士
通知税理士
宅地取引主任者
主なメディア出演履歴
TBS 「グッとラック!」
テレビ朝日 「スーパーJチャンネル」
フジテレビ 「直撃LIVEグッディ!」
NHK 「ニュースウォッチ9」
読売新聞朝刊 「ソレアル?」
イギリス経済雑誌 「エコノミスト」
その他テレビ出演多数
雑記新聞掲載多数